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後払い決済サービス利用実態調査 4人に1人は「利用したことがある」

こんにちは、マネーインサイトラボです。デジタルネイティブ世代のお金事情に関する調査・研究を行っています。今回は第4回目のリサーチ「後払い決済サービス利用実態調査」について、ご紹介したいと思います。

マネーインサイトラボ
ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行iBankマーケティングが共同運営するお金に関する調査・研究組織です。デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化や、新しい金融サービスの可能性について新たな視点を見出すことを目的に活動していきます。

調査テーマは「後払い決済サービス」。​「BNPL(Buy Now Pay Later)」「BNPL(Buy Now Pay Later)」とも言われます。​

今回は、Z世代(18~26歳)、Y世代(27歳~42歳)、X世代(43~58歳)計1,500名を対象に、後払い決済の利用実態を調査しました。コロナ禍を経てオンラインショッピングにおける決済手段の多様化が加速しましたが、その中で後払い決済はどれくらい普及しているのでしょうか? 調査結果をもとに世代ごとの特徴などを見ていきます。​

■ Z世代
1990年代中盤から2010年代中盤生まれ。生まれながらにしてデジタルネイティブであり、幼いころからスマートフォンやSNSに慣れ親しんでいる。
Y世代
1980年代序盤から1990年代中盤生まれ。幼少期~青年期にインターネットの本格普及を経験し、ネットを当たり前に使いこなせる。
X世代
1960年代中盤から1970年代終盤生まれ。子どもの頃をアナログ環境で過ごし、成人してからインターネット環境に触れるようになった。

※近年の価値観やライフスタイルに大きく影響を与えているとされるデジタル環境の変遷を基準にした世代で分類

後払い決済、4人に1人は「利用したことがある」​

図1

まずは、オンラインで後払い決済を利用したことがある人がどのくらいいるのか?を見ていきます(図1)。​
オンラインで買い物をする際に利用したことがある決済手段として最も多かったのは「クレジットカード」。ただし、Z世代のクレジットカードの利用率は他の世代よりもやや低いようです。一方、今回のテーマである「後払い決済」を利用したことがある人の割合は全体で23.5%という結果でした。​

図2

およそ4人に1人が利用したことがある後払い決済ですが、その利用経験者と利用未経験者の傾向に違いはあるのでしょうか?図2
直近1年間で、オンラインで購入したものを伺ったところ、後払い決済の利用経験者(以下、後払い決済利用者)の方が、後払い決済利用未経験者(以下、後払い決済未利用者)に比べ、幅広く様々な商品をオンラインで購入しているようです。特に、「ファッション」や「コスメ・香水・美容」、「おもちゃ・ホビー・グッズ」の購入率が、後払い決済未利用者よりも高い傾向にあります。

未利用者はクレジットカード利用が多く、お得さ重視​​

図3

また、後払い決済利用者は、後払い決済以外にも様々な決済方法の利用経験があるようです(図3)。
一方、後払い決済未利用者はクレジットカードに偏っている傾向が伺えます。​

図4

様々な決済手段で様々な商品をオンライン購入する後払い決済利用者ですが、それらをどのような基準で使い分けているのでしょうか?(図4
最も多かったのは「購入するサイト・アプリで使える決済手段によって」、次いで「お得さによって」でしたが、「決済金額によって」使い分けている人が多い点も特徴と言えます。一方、ポイントなどの「お得さ」は後払い決済未利用者の方が重視しているようです。

Z世代の後払いは趣味・ファッション美容関連が多く、高額傾向​​

図5

次に、後払い決済利用者だけにフォーカスし、世代別に詳しく見てみましょう(図5)​。​
後払い決済で購入したことがあるものは、世代によって傾向が異なるようです​。特にZ世代は「ファッション」に続いて、「家電・スマホ・カメラ」、「本・音楽・ゲーム」など生活必需品以外のものが多い結果になりました。

図6

後払い決済での購入金額について伺ったところ、X・Y世代は「5千円以上1万円未満」が最も多かったのに対し、Z世代で最も多かったのは「1万円以上5万円未満」でした(図6)​。
10万円以上の割合もZ世代が最も多く、X・Y世代に比べてZ世代の方が高額傾向にあるようです。

Z世代が後払いする理由「今すぐほしいけどお金が足りない」​

図7

​さらに、後払い決済を選んだ理由を伺ってみると、X・Y世代は「支払うタイミングを調整できる」点に魅力を感じているようです(図7)。
一方、Z世代は「購入時にお金が足りなかったから」が最も多い回答となりました。

ここまでの結果を見ると、世代によって後払い決済の位置づけが異なることが分かります。特に、Z世代の後払い決済利用者は、ほしいものを購入する際、今すぐ支払うお金が足りない時に後払い決済を利用する傾向にあるようです。​

前述のように、Z世代は他の世代よりもクレジットカードの利用率が低く、また持っていても年収が低いため限度額が低いと推測できます。このような背景から、X・Y世代がクレジットカードを使うようなシーンで、Z世代は後払い決済を利用しているのかもしれません。​

未利用者「機会があれば利用してみたい」4割強​

図8

最後に、後払い決済未利用者の後払い決済に対するイメージを見ていきましょう(図8)​。​
後払い決済未利用者の後払い決済の認知度は約3割でした。「なんとなく知っている」を含めるとその割合は8割強まで増えます。

図9
図10

後払い決済の利用意向を伺ってみると、「機会があれば利用してみたい」と答えたのは4割強(図9、図10)。
その理由としては「支払うタイミングを調整できるから」が最も多く挙げられました。​一方で、「利用したくない」と答えた方も3割以上に。その理由は「借りてる感覚が嫌だから」が最も多く挙げられていました。

おわりに​​

クレジットカードを持っていない層を中心に後払い決済を利用する人が増えていると言われていますが、今回の調査での後払い決済利用者は、他の複数の決済手段と使い分けている傾向が見えてきました。​

また、世代によって後払い決済の位置づけも異なります。X・Y世代にとっては支払いタイミングや金額を調整するためのもの。一方、Z世代にとっては、お財布の補填的な位置づけが強いようです。特にクレジットカードを持っていなかったり、持っていても限度額が低いZ世代にとってはクレジットカードの代替手段としても選択されているのではないでしょうか。​

オンラインでの買い物が当たり前になり、ECサイトも増えていく中で、「そのサイトにさまざまな決済手段が用意されているかどうか」は、購入の意思決定に少なからず影響を及ぼしていくと考えられます。​

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