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お金の悩みに関する世代別意識調査

こんにちは、マネーインサイトラボです。デジタルネイティブ世代のお金事情に関する調査・研究を行っているリサーチラボです。今回は第1回目のリサーチ「お金の悩みに関する世代別意識調査」について、ご紹介したいと思います。

はじめに

まずは、なぜこのテーマにしたのか簡単にご説明します。お金の教育を重要視している欧米では、幼稚園や小学校という早い段階から活発な金融教育の場が設けられています。その点で遅れをとっているとされる日本も、成人年齢18歳への引き下げや老後の生活保障に対する不安といった世の中の動きを背景に、学習指導要領が改訂され、2022年4月から高校での金融教育が本格化しました。以前から学習指導要領に位置付けられていましたが、今年4月以降は「資産形成の視点」が加わったこと、全国の高校で必修となったことが大きな変更点です。

そこで今回は、金融教育の必要性について、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営する「マネーインサイトラボ」が、Z世代(17~25歳)、Y世代(26歳~41歳)、X世代(42~57歳)計3,000名を対象に行ったお金の悩みや不安ついての意識調査の結果を基に考えていきます。

■ Z世代:
1990年代中盤から2010年代中盤生まれ。生まれながらにしてデジタルネイティブであり、幼いころからスマートフォンやSNSに慣れ親しんでいる。
■ Y世代:
1980年代序盤から1990年代中盤生まれ。幼少期~青年期にインターネットの本格普及を経験し、ネットを当たり前に使いこなせる。
■ X世代:
1960年代中盤から1970年代終盤生まれ。子どもの頃をアナログ環境で過ごし、成人してからインターネット環境に触れるようになった。

*近年の価値観やライフスタイルに大きく影響を与えているとされるデジタル環境の変遷を基準にした世代別

5人に4人がお金の悩み“ある”、将来や老後の資金に漠然とした不安

お金の悩みや不安を感じたことが「ある」と回答した人は全体で80.3%と、5人に4人はお金の悩みを抱えています。特に、Y世代は全体より約5%高く、これは結婚・出産・子育てなどの大きな出費や、老後を含めた今後のライフプランを真剣に考える機会が増えることでお金の悩みが顕在化しやすいためと考えられます。

また、悩みや不安の内容では、全体では「貯蓄がない」が最も多く、次に「老後の資金」「将来の資金」と続き、将来や老後に漠然と不安を感じている人が非常に多いことがわかります。

Z世代では、『使いすぎ』『クレジットカード引き落としの残高不足が不安』『お金を使いたいところに使えない』のように「お金の使い方・管理方法」についての悩みが多く挙げられました。奨学金などこれから続く長期返済に頭を悩ませている人もいるようです。

お金の使い方・管理方法のように「やり方」を学ぶこともちろんですが、人生や暮らしにおいて何にお金を使いたいのか、どんな将来、老後を送りたいのか、金融教育はそういったことを考えるきっかけになることも期待されます。

お金の不安、専門家への相談はわずか11.2%

 「お金の悩みや不安を相談できる相談相手が身近にいる?」という設問に、「いる」と答えた人は、Z世代が最も多く76.5%で、Y世代64.3%、X世代59.1%と年齢が上がるにつれて身近な相談相手が減っていくことが分かります。

「お金について相談できる相手は?」という問いには、高校生・大学生も含まれるZ世代では、両親、特に母親への相談が圧倒的に多く74.4%となっており、親の金融リテラシーが子どもに大きく影響を与えることが読み取れます。婚姻率が上がるY世代、X世代では、配偶者への相談が1位を占めますが、この世代はそれ以外の身近な相談相手が減る分、ファイナンシャルプランナー等のお金の専門家へ相談する割合が増えていく傾向にあります。

お金の悩みが顕在化しやすい世代は、より知見のある人に相談したいというニーズが出てくるようですが、それでも最も多いX世代で15.6%と2割にも満たず、全体ではわずか11.2%という数字になっています。欧米と比較して貯金の割合が多く、投資に消極的な日本においては、資産運用について専門家に相談する人が多くないというのも影響していると考えられます。そもそも、日本にはお金について話すことはタブーとされる風潮がありますが、10代からお金について学び、考え、発言する場ができることで、それも変化していくかもしれません。

回答のTOP3は貯蓄、投資、お金の勉強

「将来お金で困らないために、学生のうちにやっておくべきことは?」という設問に、全体では「貯蓄」と答えた人が最も多く、続いて「投資」という回答が多く見られました。Z世代ではやっておくべきこととしてTOP3に入らなかった「投資」ですが、Y世代、X世代では2位につけており、上の世代では「早くから投資をすればよかった」と振り返る人が多いようです。

全体の3位には「お金の勉強」がランクイン。お金そのものを稼いだり貯めたりするのと同様に、お金をどう管理・活用すべきかを早くから学び、投資などを実行することの必要性を感じている人が多いことが伺えます。高校の学習指導要領で「資産形成の視点」が必修として導入されたことは、このニーズに応えるものになりそうです。

お金の勉強で「生きる力」を養う

人生の中で多くの人が直面するお金の悩みや不安。金融教育は、単にお金の仕組みを学ぶだけではなく、生活するうえで必要なお金の使い方・管理に関する知識や判断力を培い、「生きる力」を養うという重要な役割を担っています。

また、お金の勉強は子どもや学生だけのものではありません。今はスマートフォンの動画アプリで手軽に専門家の知識に触れることができ、NISAやiDeco等の資産形成に関する税制優遇制度の認知度も高まりつつあります。家計簿アプリ等お金の管理に役立つツールもたくさん出てきています。

情報が溢れている分、情報の信頼性の確認や取捨選択が重要になってきますが、そういったデジタルツールも活用しながらお金の悩みや不安に向き合っていくのも忙しい社会人の方にとっては一つの方法かもしれません。 

調査概要

■ 調査対象:
Z世代(17~25歳)、Y世代(26歳~41歳)、X世代(42~57歳)
■ 査集計期間:
2022年2月16日(水)~2月21日(月)
■ 調査機関:
iBankマーケティング株式会社
■ 調査方法:
インターネット調査
■ 有効回答数:
3,000サンプル(Z世代1,000名、Y世代1,000名、X世代1,000名) 

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