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「みんなの銀行」のIT責任者、宮本氏に質問!銀行のアプリって、ホントに使えるんですか?(後編)

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ピッ!と、スマホひとつでお金のやりとりができる今。それが「当たり前」というデジタルネイティブ世代にとって、銀行は「ちゃんとしてそうだけど、ちょっと面倒」なイメージがあるようです。じゃあこれからの時代、銀行はどうなるのか。みんなの生活にどんな役に立つのか。そこのところを国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」のIT責任者、宮本昌明執行役員にインタビュー。後編は、いよいよ核心へ。タイトルにもある「銀行のアプリってホントに使えるの?」に、ぐいぐい切り込んでいきます。
文:山村光春 写真:中村紀世志

↓ インタビュー前編はこちら

「スマホさえいらない世界」を見越して。

―― 「みんなの銀行」が目指すのは、「みんなの『暮らし』に溶け込む」サービスを提供すること。そのために、「今すぐ思いつくようなサービスである必要もない」とおっしゃっていましたが、それは具体的にどういうことでしょうか?

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宮本:例えば今、みんなが持っているデバイスも、ひと昔前はガラケーでしたよね。それがスマホに変わって、今度はウェアラブルが出てきて。メガネが一回出始めましたけど、消えたかな? いずれにせよ究極を言うと、何もいらないはずなんです。思った事が、すぐに相手に伝わる。払いたいと思ったら払っていた、みたいな。スマホさえもいらない、そういう世界が来るかもしれない。これを見越して、じゃあ「みんなの銀行」はどうあるべきか、みたいなことを考えていきたいんです。それこそが、本当の意味での「みんなの『暮らし』に溶け込む」ということ。スマホありきでも、アプリありきでもない。技術の進歩とともに日常の変化があって、そこを突き詰めていきたいと思っています。

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必要なのは「始める気軽さ」と「やめる覚悟」

――具体的には、どういった突き詰め方になるのでしょうか。

宮本:たとえばGoogleのクラウドで、新しいAIのサービスが出たとしますよね。すると「じゃあ試しに、今持っているデータでまわしてみようか」となり、結果「こんなサービスつくってみよう」となる。さらにそれを、自分たちでつくるのもいいんですけど、既にあるクラウドで提供されているサービスを使って、簡単に早くできる方法も試してみる。そして「だめだね」と思ったら、サービスをやめる。

そう、銀行にとって、この「サービスをやめる」というのは、なかなかハードルの高いことだったんです。極端な話をすると「定期預金が儲からないのでやめます」となったら「じゃあ、今預けている人どうなるの!」となっちゃう。なので、簡単にやめられないというのが、今まではあったと思います。それをやめる覚悟でいろんなことを小さく気軽に始めて、ニーズがあればどんどん育てていくし、なければすぐにやめる。そういう取組みを通じて存在価値を高めていく方が、いいんだろうなと思います。お客さまにも理解してもらって「確かによくないよね」とか。共感頂きながら、進めていけばいいなと思っています。

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面倒な手続きがなくなる世界へ。

――私達からすると「銀行は面倒で、何でこんなことをやっているんだろう」という手続きが多い気がします。そうした非効率と思われがちなことも「みんなの銀行」では改善されるのでしょうか。

宮本:なんで銀行がこれまで、金融商品をつくっては、誰も読まないような難しい説明資料をいっぱい書かなきゃいけないのか。それは法律上の、やむを得ない事情がもちろんあるんですけど。それでもお客さまが「いらない」と言えば、そんな難しい説明資料もなくなるんじゃないかなと。そういう世界が目指せればいいですね。法律で縛られてたら書くしかないのですが、法律も変わっていって欲しいと思います。みんなの銀行ではできるだけ、法律にのっとりながらも、極力、面倒くささや煩わしさを排除し、フリクションレスを目指しています。

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――そういう意味では、今じゃ当たり前となった税金などの自動引き落としも、最初はなかったですよね。

宮本:それがこれから、どう進化していくかですね。今あるサービスを真似してもしょうがないので、次を見据えて。世の中の人がもっとどうしたいのかを、考えなければいけないなと思います。

よりよい未来のために、スタンバってる。

――QRコード決済ができてから、世の中はずいぶん便利になったと思うのですが、さらに次があるということですか。

宮本:もちろんあると思います。ガラケーだって当時は便利でしたもんね。それまでは、夜隠れて家の固定電話で電話してました。今の時代の人は知らないと思いますけど(笑)。

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――便利の次に、さらなる便利があると。

宮本:絶対に「ここで終わり」というのは、何ひとつないと思います。

――「どう便利になっていくか」は、みんなが「どう便利になりたいか」にかかっていると。

宮本:そうですね。それと、技術がどう進化しているかですね。AppleやGoogleみたいな技術企業が出したものが世の中に届いて、それがスタンダードになるのか、ならないのか、みたいなところは、常にウォッチしておかないといけない。

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――そこに足並みを揃える、ということですか。

宮本:例えばアップルウォッチみたいなものが出てきたら、みんなはあれで何がしたいかな、とか。

――未来に何かよくなりそうなもののために「みんなの銀行」がスタンバっている状態なんですね。

宮本:正解はないんです。常に柔軟に動いていくということを前提に、みんなで前を向いておかないといけない。

「みんな」をつなげて、叶えていく。

――そこに私たちも「何してくれるの?」ではなく「何をしたい!」と言える、期待のようなものを感じます。

宮本:おっしゃる通り。そこでファンをたくさんつくっていきたい。まずは口座をつくって頂くところからスタートして、ファン(みんな)の声を形にしていきたいですね。

――それこそが「みんなの銀行」の名前が持つ意味ですね。まさに名は体を表していますね。

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宮本:口座を持ってくださるお客さま、つながってサポートくださる企業の方、我々も全部合わせて「みんな」です。

――そこには、もちろん社内のエンジニアも含まれている?

宮本:もちろん。マーケティングの人、オペレーションの人も含めて「みんな」。

――宮本さんはそんな「みんな」をつなげて、叶えていく役目なんですね。

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宮本:あとはシステムの方向性を決めたり、エンジニアにとって居心地の良い組織をどうすべきかってことも含めて考えていかなければならない。これも同じく正解はないので。

――宮本さん自身もまた、柔軟な姿勢でないとですね。

宮本:そうですね。心がけてはいます。できているかどうかは、みんなが評価してくれるでしょうね(笑)。頑張ります。

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※本文中の写真は、感染症対策を徹底のうえ撮影しています。


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