世界三大デザイン賞の一つ「レッド・ドット・デザイン賞」で“日本初”、金融業界では“世界初”のビッグタイトル獲得!【デザインGリーダーインタビュー】
こんにちは、『みんなの銀行 公式note』編集長兼広報の市原です。
2021年5月に次世代の銀行のカタチ=デジタルバンクとしてお客さま向けサービスの提供を開始したみんなの銀行ですが、この度、国際的なデザイン賞において3部門での受賞を果たしました。
それを記念し、本賞への応募と総指揮を担当したみんなの銀行デザイングループの中村隆俊リーダーにインタビューを実施し、応募の背景や受賞にあたっての想いを聞きました。
優れたデザインの証! 世界最大級のデザインコンテスト
――「レッド・ドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)」とはどんな賞ですか?
中村 レッド・ドット・デザイン賞は、約20,000点の応募がある世界最大級のデザインコンテストの一つです。1955年に初めて審査員が集まり、当時の最高のデザインを評価したのが始まりです。1990年代に、レッド・ドット・デザイン賞のCEOであり創設者のピーター・ゼック博士が、この賞の名称とブランドを開発しました。以来、この栄誉ある賞は、優れたデザインの証として国際的に高い評価を得ています。
レッド・ドット・デザイン賞は、デザイン分野における製品やプロジェクトの多様性を適切に評価するために、大きくは「プロダクトデザイン」「ブランド&コミュニケーションデザイン(Brands & Communication Design)」「デザインコンセプト」の3つに分かれています。
――みんなの銀行は「ブランド&コミュニケーションデザイン」において、3部門での同時受賞となりました。各応募部門について、審査ポイントも合わせて教えてください。
中村 今回「ブランド・オブ・ザ・イヤー(Brand of the Year)」を受賞した「ブランド(Brands)」部門では、様々なチャネルで一貫したブランドイメージができているかを評価されます。
「コミュニケーション(Communication)」部門では、「アプリケーション(Apps)」カテゴリと「ブランド&アイデンティティ(Brand Design & Identity)」カテゴリの2つに応募しました。「ベスト・オブ・ザ・ベスト(Best of the Best)」を受賞したアプリケーションカテゴリは、デザインや機能におけるデザインクオリティとクリエイティブパフォーマンスが、「レッド・ドット(Red Dot)」を受賞したブランド&アイデンティティカテゴリでは、ロゴやビジュアルにおけるデザイン品質が、評価対象となっています。
「シンプルかつミニマルなUI/UX」「“銀行らしくない”ビジュアル」が高評価につながった?
――ブランド部門では「ブランド・オブ・ザ・イヤー」を受賞しましたが、本受賞は「日本初」、さらに“金融サービス”としての受賞は「世界初」となりました。どのあたりが評価されたと考えますか?
中村 公式サイトの記載では、「顧客がブランドを特定し、他のブランドと区別できる一貫性ある現代的なブランドクリエイションにチャレンジする中で、すべてのコミュニケーション要素に一貫したブランドマネージメントを反映しているみんなの銀行が審査員を納得させた」という趣旨の評価をいただきました。
海外も含めて、モノクロのシンプルかつミニマルなUIや体験設計、そしてイラストをブランドツールとして活用した銀行は、これまでに例がありません。良い意味で従来の“銀行らしくない” ビジュアルも、ユニークなポイントです。みんなの銀行はデジタルネイティブ世代にフォーカスしていますので、今回のエントリーでは、ミニマルを好む若者のリアルなライフスタイルを取り入れたファッション性と多様性をミニマルなUIとユニークなイラストで表現し、(従来の“銀行らしくない”)これまでにない新しい銀行のブランドイメージを打ち出した点をアピールしました。このアピールポイントが海外の審査員にも高く評価いただけたのではと思います。
受賞時の社内では「やったー!」の声と同時に、「それってすごいの?」笑
――受賞の一報を受けたときの気持ちを教えてください。
中村 評価結果を、毎朝レッド・ドット・デザイン賞のポータルサイトでチェックしていたのですが、その日はページの先頭に“Congratulations”の文字があったので、「お!」と少しドキドキしながら結果を追っていきました。すると、“Best of the Best”や“Brand of the Year”という文字が英語で表示されていました。頭の中は「?」となったのですが、同時に「もしかして……」という思いが浮かび、その瞬間、全身に鳥肌が立ったのを覚えています。急いでデザインメンバーに3つの受賞を伝えつつ、その日は、改めてそれらの賞に関連する情報収集とその意味を理解することでいっぱいいっぱいでした。それを聞いたメンバーも、直後は「やったー!」となり、同時に「で?それって何なに? Brand of the YearとBest of the Bestってどれぐらいすごい?」と言った具合でした(笑)。
調べていく中で徐々に賞の重みを理解しましたが、正直今でもまだ信じられないという状態です。経営陣にも資料をまとめてすぐに報告しましたが、この賞の重みを伝えるのは、非常に難しかったです。報告している間も、アプリ開発に関わったみんなの銀行の全スタッフが様々な場面で努力してきたシーンを改めて想起しました。みんなでより良いものを目指すために深く議論をかわし、大きな困難に直面する場面では(時には)不眠不休で解決し。そうやって作り上げたこのアプリが、海外でこのような形で最高評価をいただき、本当に嬉しく思っています。
応募の目的は、デザインの外部評価と認知拡大
――そもそも「レッド・ドット・デザイン賞」への応募は、どのように決まったのでしょうか?
中村 デザインの外部評価と認知拡大を目的にアワードに応募していくことについては、もともと経営陣とも認識を合わせていました。ただ、みんなの銀行はユニーク性が高いため、国内だけでなく海外視点でも高い評価を得られるのではと考え、海外の賞にもエントリーすることになりました。世界のデザインコンテストといえば、「iFデザインアワード」と「レッド・ドット・デザイン賞」がデザインメンバーの頭にありました。今回応募したレッド・ドット・デザイン賞は歴史あるデザインコンテストで、学生時代からたびたび目にしていましたし、受賞プロダクトはどれも格好良かったのを覚えています。エントリー金額はそれなりに高額なのでプレッシャーを感じましたが、このような機会はそうそうないこと、また国内だけでなく世界でこの唯一無二の銀行をアピールすべく、チャレンジすることになりました。
受賞メールには “Winning is the beginning”(この勝利が始まりです)
――最後に、今後の目標を教えてください。
中村 レッド・ドット・デザイン賞から届いた受賞メールの冒頭に、“Winning is the beginning”(この勝利が始まりです)と書かれていました。この賞の名に恥じないよう、さらに戦略をしっかりと考え、生まれたばかりのブランドとプロダクトを育てていかなければなりませんし、また日本のみならず世界からも注目が集まるので、大きなプレッシャーもかかってきます。このプレッシャーを糧に変え、みんなの銀行の商品・サービスを磨き込み、お客さまに「価値あるつながり」をご提供できるように、今まで以上に一致団結して取組んでいきたいと思います。
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